クワガタの温室飼育に使用する温室を用意・作製する
クワガタ幼虫の温室飼育で登場する温室。
特に温度管理が必要な菌糸ビン飼育・クワガタ幼虫を任意のタイミングで羽化させたい場合・冬場の発酵マット作製時、など色々な用途で使用されます。断熱性の優れた素材で温室を作り、その中にヒーターなどの暖房機器を設置し温室内を一定の温度まで暖めて使用します。
また、低温種のクワガタ(ミヤマクワガタなど)を飼育する場合や低温でジックリ幼虫を飼育したい場合、夏場に温度を下げたい場合、カワラタケ菌やヒラタケ菌のような高温に弱い菌糸ビンを使用して飼育する場合には冷温室としてワインセラーなどの電化製品が利用される事も。
お金をあまり掛けたくないのなら、温室内に保冷材や凍らせたペットボトルを入れる事である程度温度を下げる事も可能です。
暖房機器・冷却機器・サーモスタット・逆サーモスタットの説明は「温室で使用される機器」のページで紹介していますので、参考にされる方はどうぞ。
クワガタ用温室を自作する
自作温室で良く利用される断熱材は、家の断熱材としても使用され、断熱性の優れるスタイロフォームが有名。個人的にも自作する場合は加工のしやすさ・耐久性・断熱性を考えるとスタイロフォームがオススメ。
建築資材を扱っている大きなホームセンターであれば取り扱っている事があります。
スタイロフォームより断熱性・耐久性は劣りますが、フタの付いた箱状の発泡スチロールでもそのまま暖房機器を設置してある程度の保温は可能でしょう。
断熱シートで囲むという手もありますが、実際試した事が無いのでなんとも言えません。
スタイロフォームをカットしてそれなりに大きな温室を自作するとなると180cmサイズが必要となります。持ち帰るには自動車が必要になる場合も。
ホームセンターで軽トラックの貸し出しをしている事があるので、免許があるなら問題ありません。
有料で郵送してくれたり、必要な大きさにカットしてくれるサービスがあれば利用するのもアリです。
持ち帰るのが面倒という場合は、インターネットで購入して郵送してもらいましょう。
その方が手っ取り早いです。
amazonで出品されているスタイロフォーム一覧から参考程度にいくつか紹介。
このくらいのサイズがあれば数枚購入して小さな保温室を作れそうです。
上記はamazonでのセントラル画材様の出品ですが、
楽天市場でもセントラル画材オンラインショップがスタイロフォームの品揃えが豊富。
色々なサイズ・厚みのものがあります。
カテゴリーの「模型材料/スタイロフォーム」から各商品が確認できます。
温室の作り方ですが、断熱材を必要な大きさにカットし箱状に組み接着するのが一般的でしょうか。
人によって色々と工夫して制作される方が多いので、「絶対この作り方!」といったものはありませんが、一例を挙げておきます。
また自作する際は、暖房機器が設置できる程度の広さは確保しておきましょう。
例1:スタイロフォームをカットし組み合わせて温室を作る。(メタルラックを入れて棚付き温室にも)
例2:不要になった家具やメタルラックなどを骨組みとして、スタイロフォームをはめて温室に。
例3:収納ボックスの内側をスタイロフォームで囲み簡易温室に。(10匹程度ならこのくらいでも)
または、大きな箱状の発泡スチロール容器をそのまま利用。(安く済ませたい場合に)
例1はスタイロフォームを任意の大きさにカットし、箱状に組み立てる方法。
六面を各1枚のスタイロフォームで囲むことで、隙間や接着面を少なくして保温力UP。メタルラックの入る大きさで作ると棚付きの温室に。
スタイロフォームで出っ張りを作り、金網を乗せる事で棚を作る事も可能。
ただし、あまり沢山収納すると重さで出っ張り部分が壊れる事があります。
しっかりと接着するか、適当な大きさに切ったスタイロフォームで接着・補強しましょう。
(私の温室も2回ほど棚が重さで壊れています)
また、あまり薄いスタイロフォームで大きな温室作ると、歪みや反りが発生する可能性があります。ある程度厚いスタイロフォームを使用した方が無難です。(厚さ30mm以上が妥当か)
木枠などで補正・補強するといった方法でもいいでしょう。
例2は不要になったタンスなどの家具、もしくはメタルラックを骨組みとして利用する方法。
自作温室で利用されるのを結構目にします。骨組みがある事で温室自体の耐久力もUP。
家具をそのまま利用する場合は内側をスタイロフォームで囲います。
開閉式扉の付いている家具だと、しっかりと囲むだけで開閉式扉の温室が完成。
(木製の棚が付いている場合は、空気の循環を考えると取り外して金網の棚に変えた方が無難か。)
家具の内側を囲む場合、内側の長さを正確に測ってカットしないと隙間ができてしまいます。
0.5mm~1mm程度大きめにカットして押し込むように埋めるとピッタリと埋まります。
ただし、力を入れすぎて無理やりはめ込もうとすると割れてしまう事があるので注意しましょう。
隙間が出来てしまったらスタイロフォームの切れ端で隙間を埋めて接着しましょう。
もしくはメタルラックや家具の枠を利用し、枠の間をスタイロフォームで埋める方法です。
家具の木枠を再利用する方法は蝶番や鍵を付け易く、開閉式の扉にしたい場合は比較的楽に取り付ける事ができます。
ただし、枠だけ利用する場合は枠の間をスタイロフォームで埋める形となる為、スタイロフォームをカットする枚数が多くなります。
また接着する面も多くなる為、隙間が出来やすくなります。
隙間から暖めた空気が逃げてしまうと、その分保温力は落ちます。
しっかりとスタイロフォームの切れ端で隙間を埋め、接着しましょう。
はめ込むだけだと不安という場合は内側にさらにスタイロフォームを貼り、保温力をUPしましょう。
例3はある程度大きなフタ付き収納ケースなどの内側をスタイロフォームで囲む方法。
飼育している幼虫の数も少なく、初めて温室を作るなら小さい温室で試してみるのもアリです。
スタイロフォームだけで小さな温室を作るのも良いですが、フタがある分ピッタリ閉める事が可能かと。
使用する容器の大きさにもよりますが、10匹前後の飼育ならこのくらいで十分かと思います。
またはスタイロフォームでなく発砲スチロールの箱を利用する方法。
スタイロフォームより保温力は落ちますが、比較的安価で購入できます。
こちらもピッタリ閉まるフタ付きのものを購入しましょう。
ホームセンターや釣具店(釣った魚を入れる簡易クーラーBOX)で販売している事があります。
どの方法も重要なことは暖房機器で暖められた空気を逃がさないように工夫する事。
また、断熱材は厚いほど外気温の影響を受け難くなりますが、真っ直ぐカットするのが難しくなります。組み立てて隙間がある場合は断熱材の切れ端などで隙間を埋め、接着しておきましょう。
スタイロフォーム同士や木材への接着は製造元サイトを見ると「エポキシ樹脂系の接着剤」との事。
エポキシ樹脂系のセメダイン(amazonの検索結果)なんかでOKではないでしょうか。
発泡スチロールを使用する場合は発泡スチロール用の接着剤を使用しましょう。
大きな面を接着する場合(木の板などに貼り付ける場合)は、面の部分は両面テープ+接着剤少量で仮止め。その後、四辺を接着剤でしっかりと接着すると節約できます。
特に扉(フタ)の部分は隙間なくピッタリと閉まるように工夫する必要があります。
開閉式にするか、取り外し式にするかでも作製難易度が変わってきます。
扉(フタ)の部分を凹凸にして、はめ込むようにすると良い感じに。
さらに磁石や鍵などをつけ、扉がピッタリ締まるようにすると良いでしょう。
自分の出来る範囲で試してみましょう。
ただし、温室が小さすぎると が少々心配な所。
私が作製したタンスサイズの温室では、ピッタリ閉まるように作製しても酸素不足はありませんでしたが、湿度は若干高め。
クーラーボックスで保管した場合でも湿度はかなり高くなりました。
心配な場合は、保温力は若干落ちるでしょうが、酸素確保&湿度調整の為の空気穴を開けた方が安全かもしれません。
また、温度計や温度センサー・暖房機器のコードを温室内に通す為、小さく穴を空けておきましょう。
私の自作した温室は例2に近い方法です。片側開閉の扉式。
スタイロフォームの厚みは20mm厚を2重にして40mm。
詳細は飼育日記のクワガタ用保温室作製その1・クワガタ用保温室作製その2・クワガタ用保温室作製その3を参照してください。
暖房機器(マルチパネルヒーター32W)の値段も含めると制作費は15000円前後。
性能は今のところ満足しています。マット飼育好きの私としては冬場にも発酵マットを安定して作製できるだけでも満足です。
容量はタンスサイズの4段構造で1100mlボトル容器が45本程度。頑張ればそれ以上収納可能。
中段の金網を取り外すとバケツも入る為、温室内を高温に保ち、自作発酵マットを作製する際にも大活躍しています。自作発酵マット作製用に小さい温室を1つ作っても良いかもしれませんね。
温度管理はマルチパネルヒーターのツマミ調整のみで18℃~25℃前後に調節しています。
夏場は凍らせたペットボトルを最上段に入れて温度調整。
冬場は外気温にもよりますが、室内18℃程度の時にツマミ調整MAXで30℃前後まで上げれました。
もの凄く寒い日に、部屋の暖房を入れていない状態でツマミ調整MAXだと24℃前後。
冬場は18℃前後キープできればいいので十分使用可能です。
ただし、その日の気温に合わせてある程度ツマミの調整をする必要があります。
面倒な方はサーモスタットをつけると良いでしょう。
10匹程度飼育するのであれば、こんなに大きな温室はいりません。
、お財布&飼育スペースを考慮して自作してみましょう。
温室が用意できたら、温室に使用される機器を揃えましょう。
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作る場合はこの方が楽かもしれませんね
ホームセンターや釣具店でも販売している事があります。