国産クワガタの産卵セットを組む

4.産卵セットを組む

国産クワガタの種類による産卵の違いを理解し、材産み・マット産みの産卵セットを組んで行きます。
産卵セットを組む時期ですが、早い方は5月~6月頃に卵を産ませます。
クワガタ幼虫が活発にエサを食べる温かい時期に沢山食べさせる事で大型個体にするという理由が多いのではないでしょうか。
寒くなる前に早めにペアリングして産卵できるよう準備しておきましょう。
では産卵セットを組んで行きます。
2.国産クワガタによる産卵の違いにも記述しましたが、国産クワガタには、材産みタイプマット産みタイプのクワガタがいます。それぞれセット方法が若干違ってきますので注意が必要です。
また、産卵セットでクワガタのメスに与えるエサは栄養価の高い「高タンパクゼリー」を与えてあげましょう。産卵には非常に体力を使うため、クワガタの為にも栄養のあるエサを与えたいですね。

また、クワガタ飼育を始めて間もない方は、
幼虫を産ませすぎて飼いきれなくなってしまい、羽化した成虫を野外に放すという方がいます。
そのような事は決してせず、産ませたからには最後まで責任を持って飼育しましょう。
育てきれないなら産ませなければ良い話です。
産卵させる場合は、必ず自分の育てられる範囲内で産卵数の調節を行いましょう。

材産みタイプの国産クワガタの場合

材産みタイプセット方法

左図が材産みタイプの一般的なセット方法です。
(画像クリックで拡大)
材産みの代表的な国産クワガタとして、オオクワガタヒラタクワガタコクワガタがいます。
材産みタイプの場合は、卵を産み付ける為の産卵木が必須となりますので、ホームセンターなどで購入しておきましょう。 産卵木を選ぶポイントとして、なるべく太めの産卵木で中に芯が少ないものを選びましょう。

産卵数を調整する場合は、細めの産卵木でも問題ありません自分の育てられる数を決めて産ませましょう。クワガタのメスが材を削ってその中に卵を産みつけます。
(細い産卵木なら産卵セット設置後1~2週間ほどで大体5匹~10匹前後産む事が多い。
種類によっては沢山産んでしまう事もある為、ある程度余裕を持って調整しましょう。)

国産クワガタの種類によって一概には言えませんが、メスのクワガタが産卵木を気に入らず、産卵木に卵を産んでくれない事もありますので、何本か予備の産卵木も購入しておきましょう。
個人的には産卵木が硬すぎる場合、産卵してくれない事があるので柔らかめの産卵木を選んでいます。また、幼虫を割り出す時に柔らかい方が産卵木を割りやすいという利点があります。
ホームセンターなどで売られている産卵木を選ぶ場合、実際に手に取って重さを比べます
軽い産卵木の方が比較的柔らかい産卵木となるので覚えておきましょう。

マットは発酵マットでなくても構いません。ホームセンターで販売されている飼育マットには発酵済みのマットが多いので、それをそのまま使用していいでしょう。添加剤を入れて本格的に発酵マットを作るとなると時間も手間もかかるので、自作発酵マットは本格的な幼虫のマット飼育の時に置いておきましょう。

材産みタイプの産卵セットを組む前に下準備が必要です。
まずは、産卵木を加水していきましょう。適当な入れ物に水を入れて産卵木を沈め半日程度置き、産卵木に水を染み込ませます。その後、取り出した産卵木を1日ほど陰干しして準備完了です。
オオクワガタは湿度が少ない場所を好むタイプですので産卵木の加水時間は短いほうがいいかもしれません。逆にヒラタクワガタは湿度の多い場所を好むタイプです。いつも大体半日ほど産卵木を水に漬けて使用していました。

はじめに飼育ケースの底に何センチかマットを敷き、産卵木を設置していきます。
縦でも横でも斜めでもお好きなように配置してみてください。 また、産卵木を設置する際に、「樹皮をめくって使用するか・めくらずに使用するか」ですが、どちらでも良いと思います。
私の場合は樹皮をめくってから使用します。
メリットとしては、クワガタのメスが固い樹皮を削る体力を使わなくて良いという所でしょうか。
めくった皮はクワガタの転倒防止にもなり、クワガタの隠れ家にもなります。
マットの上においてあげましょう。

産卵木に水を吸わせます
産卵木に水を吸わせます
皮はめくった方が良いかも
皮はめくった方が色々良いでしょう
産卵木をセット
縦でも横でもお好きなように
産卵木をセットしたらマットで埋めます
産卵木をセットしたらマットで埋めます


この時に産卵木を入れる本数でもある程度産卵数をコントロールする事ができます。あまり産ませたくない人は1本でいいと思います。また、産卵を確認できたら途中で産卵セットからクワガタのメスを出し、通常通り飼育する事でもある程度産卵数の調整ができるので覚えておきましょう。

産卵木が設置できたら、周りを発酵マットで埋めていきます。この時マットは押し固める必要はありません。飼育マットの量は普段クワガタの成虫を飼育する時より少し多め、半分~3分の2くらいまで入れましょう。その上にエサ皿や、のぼり木などを配置して材産みタイプの産卵セットの完成となります。
産卵セットを組み、メスを入れて約1ヶ月ほど飼育した後、産まれた幼虫を割り出しましょう。
また産卵数を調整する場合は、メスを投入後1~2週間で一度産卵木の様子を確認しましょう。
産卵木を沢山かじっているようなら産卵している可能性大。メスを産卵セットから取り出し通常飼育へ。
産卵セットのケースは1ヶ月ほど放置して幼虫の孵化を待ちます。

材産みタイプの産卵セット完成
材産みタイプの産卵セット完成!!

マット産みタイプの国産クワガタの場合

マット産みタイプセット方法

左図がマット産みタイプの一般的なセット方法です。
(画像クリックで拡大)
マット産みの代表的な国産クワガタとして、ミヤマクワガタノコギリクワガタがいます。ノコギリクワガタの場合、産卵木とマット両方に産む可能性があります。産卵木は柔らかめの木を好むようです。
図のように飼育ケースの底に目の細かい発酵マットを固めに詰めるという所に材産みとの違いがあります。

マット産みタイプのクワガタが卵を産む場所として、飼育ケースと微粒子発酵マットの間や、産卵木と微粒子発酵マットの間に産みつける事が多いです。また、産卵木の中にも産みつける場合があります。マットに卵を産みつける為の足場ともなるので1本は産卵木を入れておきましょう。
産卵木は、材産みタイプ同様に加水をしておきましょう。産卵木の用意ができたら、飼育ケースの底に目の細かい微粒子発酵マットを詰めていきます。5cm程度詰めれば良いでしょう。

ホームセンターで売られているもので言うと、カブトムシの幼虫飼育用マットは粒が細かいのでよく使用されます。インターネットで専用のマットを購入するも良し、クワガタ用とカブト用の飼育マットを混ぜて使用するも良し、クワガタの幼虫飼育用マットをふるいにかけて目を細かくして使用しても構いません。
底のマットを詰める際は、固めに押し固めて詰めましょう

細かいマットを底に固めに詰めます
細かいマットを底に固めに詰めます
5cm程度あればOKです
このくらいかな??
産卵木は横向きがいいでしょう
産卵木は横向きに置くのがベター
マットで埋めていきます
上からマットをダバーっと


その上に産卵木を配置します。この時、微粒子マットと産卵木の接地面積が広くなる横向きに配置した方がいいでしょう。あとは材産みタイプと同様に、周りに飼育マットを半分~3分の2程度入れましょう。
この時のマットは押し固める必要はありません。その上にエサ皿や、のぼり木などを配置してマット産みタイプの産卵セットの完成となります。
こちらも産卵セットを組んでメスを1ヶ月ほど飼育した後、産まれた幼虫の割り出しを行います。
また、マット産みの場合は容器側面や底面に卵を確認できる場合があります。
卵や幼虫を確認できたら早めにメスを産卵セットから取り出す事で、ある程度産卵数の調節をする事ができます

また、小さな飼育容器で産卵セットを組む事でも、ある程度産卵数を抑える事が可能です。
実際に私がミヤマクワガタを産卵させた際は、大ケースでは17匹小ケースでは4匹でした。
材産みタイプより産卵数の調節が難しいですが、産ませすぎないように注意しましょう。
取り出したメスは、違うケースに移してもマットに産卵してしまう場合がある為、粒が荒めの飼育マットで飼育するか、針葉樹のマットで飼育するといいでしょう。

マット産みタイプの産卵セット完成
マット産みタイプの産卵セット完成!!

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ホームセンターで良く見かけそうな産卵木。
100円ショップのものでも産んでくれます。手に取って軽い(柔らかい)産卵木を選びましょう。

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