クワガタの飼育方法(道具をセット)

クワガタの飼育道具をセットする

クワガタの飼育道具を揃えたら、飼育ケースの中に道具をセットしていきます。
まずは飼育マットを入れていきましょう。
市販されている飼育マットは湿っている事が多いので、そのまま使用しても問題ないと思います。
使用する飼育マットが乾いている場合、ある程度加水をしてケースに入れましょう。
水分量は飼育マットを触ってみて、手に少し付く程度でいいと思います。 あまり多すぎてもダニや小バエが発生してしまう可能性があります。カラカラに乾いていなければ大丈夫です。

飼育マットの量ですが、ケースの3分の1~半分くらい入れましょう。
少なすぎるとクワガタが潜って休めないので、ある程度入れてあげましょう。
多すぎるとクワガタがフタに張り付いてしまったり、フタの網目の部分をがアゴで挟んでしまったり、クワガタが脱走してしまったりします。

続いて、のぼり木・エサ皿を入れます。のぼり木はケースに立て掛けるように斜めに置くのもいいですが、クワガタがフタに張り付いてしまう事もあります。飼育マットの量とのぼり木の高さを計算してクワガタが脱走しないような高さに設定しましょう。小さなケースであればのぼり木1本で十分だと思います。

マットの量は半分くらいまでで
このくらいかな?
のぼり木を設置
ちょっと斜めに設置してみたり


枯葉産卵木の皮などがある場合は、飼育マットの上に置いてあげます。
クワガタの隠れ家となったり、クワガタがひっくり返った時に、すぐ起き上がる事ができます。
大きい飼育ケースを使用する場合は入れてあげた方がいいでしょう。
ミヤマクワガタのオスは飼育マットに潜るのが苦手で、いつも威嚇しているイメージがあります。
隠れられる場所を作ってあげましょう。
次のページで国産クワガタの管理の仕方を記述していきます。

※重要※ クワガタの脱走対策 ※重要※

クワガタに限らず生き物を飼育するにあたり、最後まで飼育する事・管理できる範囲での飼育数・逃がさない・放さない・脱走されないなどは基本中の基本日本産、外国産問わず)です。
生き物を飼育するのであれば、必要最低限の事は覚えていきましょう。

また、脱走対策や放虫の危険性について広める事もすごく重要です。
この項目は読み飛ばさず、ぜひ最後まで閲覧して頂くようお願い致します。
このサイトを通して少しでも広まる事を願います。

インターネット環境が整い、外国産クワガタ・カブトや地元では採集できないクワガタなど専門店・オークションで多数販売されるように なりました。
今やホームセンターでも外国産クワガタ・カブトを扱っているほどです。 手軽に入手できるようになった反面、ずさんな管理での脱走や「飼いきれない・増やしすぎた」などと理由を付けての放虫(逃がす・捨てる・野外に放す)が発生しています
クワガタの脱走・放虫による野外での定着(地域に住み着いてしまう)交雑(日本産亜種×外国産亜種などクワガタ亜種同士での交尾・繁殖)の可能性も少なからずあると指摘・懸念されています。

外国産クワガタのように「野外で定着・交雑する可能性は低い」と言われる場合であっても、「逃がしてもいい」という訳ではありません。 万が一、野外で定着や交雑が頻繁に確認された場合、下手をすれば外国産クワガタの飼育自体禁止(もしくは許可制)される可能性も
現在、外国産のクワガタムシ科は要注意外来生物に分類されています。
リンク:環境省・要注意外来生物リスト昆虫類一覧
環境省の要注意外来生物リスト:クワガタムシ科の「摘要」を引用させて頂くと、

大量の個体が愛玩用に輸入・販売され、一般家庭にも浸透しており、低年齢層の飼育者も多い。 野外での逸出個体の発見があり、遺伝的攪乱も懸念されるが、実証的データは不足している。
野外で確認される個体は遺棄か逸出によるものである可能性が高く、飼育に関するマナーの向上が特に重要であり,安易な飼育・購入等による遺棄が生じないよう販売に係る事業者等を中心に、適正な飼育に関する普及啓発を飼育者に対し積極的に進めていく必要がある。

要するに、
・ペットとして多数輸入販売され、一般家庭にも外国産クワガタを飼育する人が広まっている
(小さい子が飼育する事も多い)
野外に脱走した外国産クワガタも発見されている
遺伝的攪乱(遺伝子汚染、日本産亜種×外国産亜種での交尾・繁殖など)の可能性も心配されるが、データが不足している(データが少なく、確実に野外で交雑・繁殖している実証ができていない)
野外で確認された外国産クワガタは、「捨てられた」か「逃げられた」可能性が高い
飼育に関するマナーの向上が特に重要。(飼育管理・マナーをしっかり理解する必要がある)
いい加減に購入・飼育して「脱走される・逃げられる・捨てられる」事がないよう、クワガタ販売に係わる人など(飼育に詳しい人)を中心に、適切な飼育管理・マナーを積極的に教え広める必要がありますよ
といった感じでしょうか。

クワガタ飼育にハマっている方々には数百匹と産卵・管理される方もいますが、いきなり100匹単位でクワガタを飼育する・産卵させるのが普通だと思わない方が良いです
自分の育てる事ができる範囲での産卵数の調節も重要です。(産卵セットを組む参照)
「大きなクワガタを育てたい!」という方。
まずは必要最低限の事が出来てから自分の管理できる範囲の数で頑張りましょう

また北海道のカブトムシは本州からの国内外来種と言われています。 飼いきれなくなった個体の放虫や脱走などで繁殖・定着し、自然増殖により農作物への被害が問題となった事も。
今は普通に住み着いているからといって、逃がして良いという訳ではないので注意しましょう。

離島に住む個体を本州に逃がす」または「本州に住む個体を離島に逃がす」行為は、 本来住んでいない地域に住み着き、繁殖してしまう可能性があるので厳禁です
また、日本国内の離島に住む各クワガタ亜種も多数販売されています。飼育する際は脱走されないよう十分注意する必要があります

クワガタの脱走対策は二重三重の対策を
クワガタの脱走対策は二重三重の対策を

1.クワガタは屋内(家の中)での飼育が基本

特に外国産クワガタやカブト、離島に住むクワガタ、地元採集ではないクワガタ、お店で購入したクワガタは家の中での飼育が基本です。 地元で採集したクワガタの場合は、庭先の飼育ケースで飼育するという方もいますが、地元採集個体の場合は賛否両論といった所。
(地元のクワガタだから万が一逃げられてもOKとする人や地元採集個体でもNGという人も)
しかしながら「飼育する」と決めたのであれば脱走されないよう責任を持って管理するのが基本と言ってもいいでしょう。

屋内での飼育は、野外へ脱走されない為の最後の砦となります。
ただし屋内に脱走された時点で、かなり危険な状態だと認識するようにしましょう。 部屋の中には家具や衣類など隙間や隠れる場所が沢山あり、一度脱走されると探し出すまでかなり苦労します。

「部屋の中だから野外には出ないだろう」
「家のどこかで死んでいるだろう」
「探しても見つからないから、もういいや」

と考えるのは大間違い
例え脱走したクワガタが室内で死亡していたとしても、家具を全て動かしてでも探し出し、必ずクワガタの安否を確認しましょう
Twitterやブログなどで「逃げられた~」などと書いてネタにしている方もいますが、それが普通の事だと思わないようにしましょう

たとえ室内であっても脱走された時点でそれどころではありません。
冷や汗をダラダラ流すレベルだと思ってください。

2.大きめの収納ケースやクーラーボックス・自作温室や押入れを活用

野外に脱走されない為の第二の対策です。簡単で尚且つ非常に有効な方法
大きめの収納ケースやクーラーボックス内で飼育ケースを保管します。万が一、飼育ケースから脱走されたとしても収納ケース内を調べれば良いので探す範囲が大幅に狭くなります。フタ・扉がしっかりと閉まるものであれば、自作温室や押入れの中でもOKでしょう。

この対策をしていても、飼育ケースから脱走された時点で、すでに赤信号です。
1度でも飼育ケースから脱走された場合は飼育ケース内のマットの量・のぼり木の位置、またはサイズの大きな飼育ケースの変更を考えましょう。

また、収納ケース・クーラーボックス内で飼育ケースを保管する場合、湿度が高くなる事があります。湿度が高いとダニが増殖する恐れがある為、クワガタが通れないような空気穴を確保して通気性を良くするなど、 ある程度対策をしておきましょう。

3.しっかりした飼育ケースでクワガタを飼育する

上記2つの対策をとっているから、「ある程度脱走されてもOK」という事ではありません。
まず第一に飼育ケースから脱走されないようにする事が最重要です。

そのあたりは勘違いしないようにお願いします。
ある程度の大きさ・高さがあり、フタがしっかりしている飼育ケースを使用すれば、まず脱走される事はありません
しっかりした飼育ケースを使用しても脱走される場合、飼育されている方の油断や不注意による脱走が大半です。

力の強いカブトムシや大型のクワガタはフタを押し上げたり、ペラペラのプラスチック容器程度では突き破る位の力があると思ってください。
ペットボトル程度の薄さの容器では脱走される可能性があります。クワガタの場合、種類にもよりますが木を削って外に出るくらいの力はあると考えるようにしましょう。

また、飼育ケースのフタの爪部分が折れてグラグラになっていたり、隙間が空いているようなものは脱走される危険があります。マットの量が多すぎる、のぼり木・エサ皿を置いてフタとの距離が近くなっている場合も注意が必要。
クワガタのサイズによって飼育ケースの大きさを選ぶ事も重要でしょう。

よくホームセンターで目にするフタが網状になっている飼育ケースでは、クワガタがフタに張り付いてしまったり、アゴで網目の部分を挟んでしまう事があります。
張り付かないようマットの量やエサ皿・のぼり木の位置を調節しましょう。何度調節しても張り付いてしまう場合は、大きさ・高さに余裕のある飼育ケースに移した方が良いでしょう。
最近ではホームセンターで売られている飼育ケースでも、最小限の空気穴でフタもしっかりしている飼育ケースが多数販売されるようになっています。
脱走対策としても十分使えるので用意するといいでしょう。

頻繁に「脱走される」または「脱走未遂」の経験がある方は、しっかり脱走対策を見直しましょう。
ブログやサイトを公開されている方は、初めてクワガタを飼育される方が見られて
「脱走されることが普通」だと思われないようにしましょう。
飼育管理・脱走対策・放虫の危険性を広める際、Twiiterやブログ・サイトは優秀な手段となり得ます。
逃げられた事をネタにして書いている暇があるなら、飼育管理・脱走対策・放虫の危険性について広めましょう。

4.「誰かに譲る」場合も伝える事は超重要

増えすぎた個体を譲る、またはオークションで販売するなど他の人に譲る場合も、「最後まで飼育する・管理できる範囲での飼育数・逃がさない・放さない・脱走されない」事は伝え広めるようにしましょう
人に譲る場合、相手がクワガタ飼育に慣れている人なのか、それとも初めて飼育する人なのか分からない事もあります。特に初めてクワガタを累代飼育する場合は増やしすぎてしまう事もあります。管理に困って野外に放してしまうという可能性もあるかもしれません。

大げさな例を挙げると、しっかり伝えない場合
譲った相手が増やしすぎる→放すor譲る→譲り受けた人が増やしすぎる→放すor譲る(略
とネズミ算式に増えていく可能性も・・・

譲る場合は「喜んでもらえて良かった」「儲かってラッキー」で終わらせるのではなく、しっかり飼育管理について伝え、必要であればアドバイスしてあげましましょう
また、飼育に慣れている方に譲る場合も、念押しの意味も込めて一言言っておくようにしましょう。
念押しする事で「相手の気分を害してしまうのでは」と思っている人もいるかもしれませんが、この程度で気分を害する人はいないでしょう。 (言い方にもよりますが・・・)
個人的には「ちゃんと考えてくれている人だな」と思うくらいです。

クワガタの飼育道具を揃える >> 飼育道具をセット >> 管理の仕方 >> ダニ・小バエ対策

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