クワガタ幼虫のエサ交換時の注意

材飼育マット飼育菌糸ビン飼育それぞれエサ交換のときの注意を記述していますが、
改めて記述しておきます。
幼虫の死亡原因の1つでもあるエサ交換時の事故は飼育している方が注意することで防げます。
自分の不注意でクワガタ幼虫を殺してしまうショックは大きいです。
時間をかけて育てた幼虫の命を絶ってしまう事のないよう十分に注意を払いましょう。

暖かくなってくる頃のエサ交換は控える

クワガタの幼虫は冬を越して、気温が暖かくなる春先(4月~5月頃)にかけて蛹室(蛹になる為の部屋)を作り、成虫になる準備を始める個体が多く見られます。
暖かくなってきた頃のエサ交換は、せっかく作った蛹室を壊してしまう恐れがあるので控えましょう。
エサ交換する期間を決めて計画的に飼育していれば、春先にエサ交換しなくてはならないという状況は防げます。

温室飼育で4月~5月頃に蛹化させる場合は、大体2・3ヶ月前には最後のエサ交換を済ませておきましょう。また、冬場の菌糸ビン飼育ではエサがある程度長持ちする事が多いです。
キノコが発生しないよう、急激な温度変化を避け、適温で管理しましょう。

常温飼育でクワガタ幼虫を飼育している場合、冬場の幼虫は冬眠をします。
冬眠中はエサをほとんど食べずに活動を停止します
個人的にエサの劣化がひどい場合を除き交換はしていません。いつも常温飼育で育てる場合は、
11月頃には最後のエサ交換を済ませ、あとは羽化するまで放置することが多いです。

蛹室を壊してしまった」という事もあるかと思います。
クワガタ幼虫がすでに前蛹(アゴ・足が動かない状態)の場合は蛹室を作ることはできません。
露天掘りにしてしまうか、人工蛹室へ移し替えましょう。
まだ前蛹ではない場合、発酵マットに移して蛹室を作るか様子を見ましょう。
移し替えても発酵マットに潜らず、地表でウネウネとしていたら、前蛹になる直前の可能性もあります。
そういう場合は、無理には潜らせず、前蛹になったら人工蛹室へ移してあげるといいでしょう。

このような面倒な事はなるべく避けたいものです。
こういう対応をしなくてもいいように、暖かくなる頃のエサ交換は控えたほうがいいでしょう。

クワガタ幼虫加齢時、脱皮直後のエサ交換は控える

クワガタ幼虫は1齢幼虫(初齢幼虫)→2齢幼虫→3齢幼虫(終齢幼虫)と加齢するたびに脱皮をして
大きくなります。幼虫の成長過程で記述した期間を目安にして、脱皮する可能性があり幼虫の姿が見られないという場合はエサ交換は控えたほうがいいでしょう。
脱皮直後のクワガタ幼虫達は非常に無防備で、頭も固まっておらず柔らかい状態です。
少しの衝撃でも頭が凹んでしまう恐れもある為、タイミングを見て交換しましょう。

脱皮直後のミヤマクワガタ幼虫。頭はまだ白い
脱皮直後のミヤマ幼虫。頭はまだ白い
脱皮中のノコギリクワガタ幼虫
脱皮中のノコギリ幼虫。体も真っ白


脱皮直後で頭が白い場合は絶対安静です。
エサ交換時にそういう幼虫が出てきた場合は頭が固くなるまでエサ交換は中断・延期しましょう。
頭の色がオレンジ色になって固まり、再びエサを食べ始めた頃に改めてエサ交換をしましょう。

「スムーズにエサ交換する」より「慎重にエサ交換する」が最優先

幼虫の暴れを防止するでは、できるだけスムーズにエサ交換をするよう書きました。
これはエサ交換に慣れると比較的早く交換できます。焦る必要はありません。
エサ交換に慣れていないのにスムーズにエサ交換しようとすると、当然事故は起きます。

エサ交換に慣れていても冷や汗をかく事はあります。慎重にエサ交換する事が最優先です。
特に初めてクワガタを幼虫から飼育する人は、慎重にエサ交換することを心がけましょう。
クワガタ幼虫のエサを交換する際は、できれば幼虫の位置が把握できる時に交換するよう
にしましょう。

ただし材飼育の場合、幼虫の位置を把握するのは不可能に近いです。
どこに幼虫がいるか分かりません。慎重に少しずつ木を割って幼虫を探していきましょう。
ナタやドライバーで一気に割ると、幼虫まで真っ二つに・・・なんて事も有り得ます。
十分に注意しましょう。

マット飼育や菌糸ビン飼育の場合は、透明な容器で飼育する事が多く、幼虫の成長確認が楽です。
幼虫が位置が分かる時に交換するといいでしょう。
食痕を目安に掘るのも効果的ですが、食痕を過信しないようにしましょう。
穴が開いている場合は、ライトなどで中を照らして幼虫がどこにいるか把握しておきましょう。

容器側面にいる幼虫
幼虫が確認できると楽にエサ交換できる
穴が開いている場合はライトで照らして幼虫がいるか確認
穴がある場合はライトで照らして確認


幼虫の位置を把握できたら、幼虫のいる位置の少し手前くらいまでスプーンを容器側面に差し込みながらテコの原理で掘ると早くエサを交換することができます。
プラスチック製のスプーンはテコの原理を使用すると折れてしまう事があるので、金属製のスプーンがいいでしょう。この方法は幼虫の位置を完璧に把握できる時には非常に有効ですが、食痕は確認できても幼虫の姿が確認できない場合は結構危険です。
下手をすると、幼虫が圧迫されて死亡する恐れもあります。

菌糸ビン飼育では、菌糸の回ったオガが硬く固まっている事が多く、勢い余って事故が起きる可能性もあるので注意しましょう。マット飼育が一番事故が少ないと思います。マットを硬く詰めている場合は事故が起きる可能性もありますが、比較的楽にエサ交換ができます。

私が冷や汗をかいた例を1つ挙げておきます。
下の菌糸ビンの画像。A とBどちらに幼虫がいたでしょうか?
食痕がBに多いから、「B」と思われる方が多いのではないでしょうか。

下部に食痕が目立つ菌糸ビンだが・・・
AとBどちらに幼虫がいるでしょう
菌糸ビンの上部分まで幼虫が食い進んでいた
Bにいると思った?


正解は「A」です
菌糸ビンの上部、2mmも掘り進んでいない場所まで食い進んでいました。
スプーンでテコの原理を使って掘っていたら幼虫を傷つけていた可能性が高いでしょう。
こういう事もあるので、私は幼虫の位置が確認できない場合、粘土造形用の工具を使用して慎重に掘り進める事が多いです。

スパチュラといわれる粘土造形に使われる工具
先が丸いタイプの粘土造形用工具
先を容器側面に入れ、少しずつ掘っていく
容器側面に差し入れ、少しずつ掘れる


初めのうちは、エサ交換時に幼虫の体重が少しくらい減ってしまっても構わないと思うようにしましょう。
事故で幼虫が死んでしまったらそこで終わりなんですから

幼虫保管時の注意幼虫の暴れを防止する幼虫エサ交換時の注意幼虫羽化時の注意

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元々は造形用の工具ですが、クワガタ幼虫飼育のエサ交換時、慎重に掘り出したい時に実際に使用しています。
クワガタ採集での引っ掻き棒としても使用できそうですね。
柄の長いスプーンもあります。100円ショップで販売されているスプーンでも十分代用可能ですが、深い容器を使用している場合は長いスプーンの方がいいでしょう。。

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