クワガタ幼虫の「暴れ」を防止する

これがなかなか難しいです。幼虫保管時の注意を含め、しっかりと対策をしましょう。
私も対処方法が完璧にできるという訳ではないですが、対処方法を記述してきます。
クワガタの幼虫飼育でよくあるトラブルは、
「幼虫が暴れて動き回ってしまう・頻繁に地表に出てくる」

という症状が挙げられます。

暴れると何がいけないのか?という事になってきますが、まず、「幼虫が移動する」ということは
エネルギーを消費するということです。単に「移動する」なら別に構いませんが、

暴れる身の危険を感じているエネルギーを凄く消費する体重が減る、最悪の場合死亡

という事態になってきます。
クワガタ幼虫が容器の中のエサを食べる様子ではなく、頻繁に移動しているようなら要注意
暴れを防止するには、幼虫が危険と感じているものを排除しないといけません。
考えられるよくある原因としては、「環境の変化」「温度の変化」「酸素不足
この3つが多いと思います。

「環境の変化」によるクワガタ幼虫の暴れ

これはエサ交換後に良く起こる症状です。
エサ交換は今まで幼虫がリラックスしてエサを食べていた場所からの強制的な引越しです。
「同じエサを使っているから」と言っても、幼虫にとっては、いきなり掘り出されてスプーンに乗せられ、新しい場所へ放り込まれる。このストレスは結構なものだと思います。

対処方法として、 エサ交換時はできるだけスムーズに行い、幼虫を投入する穴の中に交換前のマットや幼虫のフンを入れてあげる。 という方法が一般的でしょうか。

幼虫投入口にはフンや食べカスを入れる
幼虫投入時にはフンや食べカスを
環境の変化に弱いクワガタ幼虫の場合は古いマットと新しいマットを半々に
古いエサと新しいエサを半々にしたり


エサ交換時に、ほとんどの幼虫は危険を感じてフンをします。
エサ交換が長引くとそれだけ幼虫のストレスになり、フンをした分の体重も確実に減りますので、
エサの交換はスムーズに行いましょう。
新しいエサのマット詰め作業はあらかじめ済ませておき、幼虫を取り出せたらすぐに投入できるように準備をしておくと大幅な時間短縮になります。 クワガタ幼虫のエサ交換は初めのうちは難しくても、慣れると結構手早くできます。

幼虫を投入する穴の中に交換前のマットや幼虫のフンを入れる事で落ち着かせ、消化を助けるバクテリアを取り込ませるとも言われます。 この方法は良く使用されますので覚えておきましょう。
とくに環境の変化に弱い幼虫(ミヤマクワガタなど)には、新しいエサと古いエサを半々にして与える方法もあります。

「温度の変化」によるクワガタ幼虫の暴れ

高温に強い国産クワガタの幼虫でも、温度が高すぎると暴れたり、地表に出てしまう事があります。
これは「酸素不足」の暴れにも関係してきます。 マット飼育の場合は高温によってマットが再び発酵してしまい、ガスが発生して酸素不足になるという事もあります。
また、菌糸ビン飼育では、高温になると雑菌が増殖しやすくなり、エサの劣化を招きます。逆に低温すぎると菌糸が活発になり、キノコが発生するという事態も起こってきます。
さらに菌糸が活動すると、水と二酸化酸素が発生し、結果的に酸素不足に・・・という事もあるでしょう。

高温に弱いミヤマクワガタの幼虫
高温に弱いミヤマ幼虫。対策が必要…
クーラーボックスや温室で保冷
クーラーボックスや温室で温度管理


マット飼育材飼育の場合は、できれば30℃以下(高温に弱いミヤマクワガタ幼虫は25℃以下
菌糸ビン飼育の場合は約18℃~28℃以内(菌種により様々) に抑えるようにしましょう。
猛暑の時は発泡スチロールやクーラーボックスに保冷材や凍らせたペットボトルなどを入れて保管すると、ある程度温度を下げる事もできます。

「酸素不足」によるクワガタ幼虫の暴れ

マットの再発酵や菌の活性化による酸素不足空気穴が不十分な為に起こる酸素不足などが原因で幼虫が暴れたり、地表に出てくるという事があります。
対処方法として、十分な空気穴を確保する事で酸素を供給しましょう。
マット飼育の際は、発酵マットの作製に記述した通り、発酵度合いを見極めしっかりとガス抜きをしてから使用しましょう。
また、菌糸ビン飼育の場合は、温室飼育で温度の管理をしっかりとした方がいいでしょう。

発酵マットはガス抜きをしっかりと
発酵マットはガス抜きをしっかりと
温度管理も酸素不足防止に
温度管理も酸素不足防止に


この3つ原因が暴れを引き起こすよくある原因としてあげられます。
上記対策をして、しばらく様子を見ましょう。
幼虫が落ち着いてエサを食べ始めたらひとまず安心です。
対策をしたのに暴れてしまう場合は、エサが合っていないという可能性もあるので、新しいエサに交換してみましょう。
また、菌糸ビン飼育の場合は、一度暴れてしまうと、マットに回った菌糸(白い部分)が無茶苦茶になってしまう事が多いです。 諦めて新しい菌糸ビンに幼虫を投入した方がいいかもしれませんね。

幼虫保管時の注意幼虫の暴れを防止する幼虫エサ交換時の注意幼虫羽化時の注意

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