国産クワガタ幼虫の常温飼育

国産クワガタの常温飼育とは自然に近い温度で飼育する方法です。
基本的にはその日の気温で飼育すればOKです。自然ではそれが普通です。
一方、ある程度温度管理して飼育する方法は温室飼育と呼ばれます。

自然界のクワガタ幼虫は、移動できる範囲が広く、自分である程度調節ができます。
(高温の際は涼しい場所へ移動する。凍結を防ぐ為、ある程度暖かい場所で冬眠するなど)
自然とは違い容器を使って飼育する場合は移動する場所が限られており、温度の影響を受けやすいので、高温すぎる時などはある程度の温度調節をしてあげた方がいいでしょう。

国産クワガタ幼虫の常温飼育
国産クワガタ幼虫の常温飼育

上の図が大体の常温飼育での季節の温度変化と注意事項になります。
30℃を越える真夏日などは、飼育容器内ではそれ以上に上がる可能性もあります。
30℃を越えるとクワガタ幼虫の死亡率は上がる傾向にあるので、 直射日光を避け温度変化の少ない場所で保管
して30℃以内に抑えた方が良いでしょう。
温度が高すぎる場合などは、クーラーボックスに凍らせたペットボトルなどの保冷材を入れるとある程度温度を下げることもできます。 また、山奥に住むミヤマクワガタ幼虫などは高温に弱い為、できれば25℃以内に抑えて管理した方が良いでしょう。

国産クワガタ幼虫の冬眠

冬場になり気温が15℃を下回る頃になると、幼虫の活動は鈍くなり始め、冬眠の状態に入ります。
さらに気温が下がると凍結を防ぐ為、食べたエサを糞として出してほとんど活動しなくなり、成長も止まります。 動かないからと言って死んでいる訳ではないので注意しましょう。
自然界では普通の事ですが、食べたものを糞としてほとんど出して活動を停止する為、必然的に体重は減ってしまいます。 冬眠状態ではかなりの低温に耐えれるとは思いますが、バナナで釘が打てるような気温では流石に死んでしまいそうなので、 氷点下にならない程度の場所で保管しましょう。

ただ、冬場に室内で管理している場合も注意が必要です。暖房などで部屋の中が常に暖かい場合、常温飼育ではなく温室飼育になってしまう可能性があります
幼虫に冬を感じさせることは非常に重要で、冬を感じられなかった幼虫は成虫にならずに死亡してしまうケースもあります(セミ化)
押入れや玄関など、ある程度気温の低い場所で保管するようにしましょう。

常温飼育による2年1化型

常温飼育では幼虫が夏の終わり頃に孵化した場合、2年1化型(2年で羽化)になる可能性が
あります。
例として国産クワガタ飼育日記2012/5/3に発見したノコギリクワガタの2齢幼虫で説明してみましょう。
親であるノコギリクワガタは夏の終わり頃(2011年9月頃)には別の容器に移し、通常飼育に変更しています。2011年9月中に幼虫が産まれたとしても2012年5月でまだ2齢幼虫です。
幼虫の成長過程で記述した幼虫期間では計算が合いません。

考えられる可能性としては・・・
9月初めに産み落とされた卵が2週~3週間で孵化。
10月初め~半ば頃に2齢幼虫に成長。この頃には気温も下がり始める為、成長速度が遅くなる
11月頃からさらに気温が下がった為、2齢幼虫のまま冬眠状態に入り活動を停止
暖かくなってきた4月~5月頃に活動を再開
といった所でしょうか。

国産クワガタ幼虫の成長過程(2年1化型)
国産クワガタ幼虫の成長過程(2年1化型)

一番長い3齢幼虫の期間が丸々残っている為、もう1年ほど幼虫として生活することになります。
(2012年12月現在でこのノコギリクワガタ幼虫は3齢幼虫)
このように常温飼育で夏の終わり頃に孵化した幼虫達は、2年1化になる可能性が高くなります

また、菌糸ビン飼育ではキノコの菌糸の性質上、温室飼育が一般的です。
常温飼育でも飼育できなくはないですが、菌糸の劣化・雑菌の増殖・キノコの発生など色々不都合な事が出てきます。

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